ある喫煙常習者における喫煙の重要性の考察


 午後四時五十二分
 そこは、コンビニだった。
 有無を言わさずコンビニだった。
 私は例によって尾行してきたわけだが、被験者に言っていないことが一つだけあった。そして被験者はそれを実感していた。
「コンビニが閉まってる……」
 被験者は立ち尽くしていた。
 別に潰れてるわけではない。ただ単に閉店しているのだ。
 エイト・テン。この島唯一のコンビニは二十四時間ではなくほんとの意味でのエイト・テンだった。
「……もう、帰ろう」
 被験者は2時間かけた道を引き返す。その肩には絶望の2文字が乗っかっていた。
 ……のがちょうど二時間前。
 そして、私は、被験者の前に立っていた。疲れきった彼にハイライトを一箱差し出す。
「吸え」
「お前、隠してたのか!」
 その声が朝の町にこだまする。
 後八分でタバコが買える。
――終―― 実験は続く……
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